研究学園地区のまちづくり及び今後の方向性について
1.筑波研究学園都市建設の経緯
(1)筑波研究学園都市の建設目的 ①科学技術の振興と高等教育の充実
東 京及びそ の周辺か ら移転し た国の 試験研究 機関と新 設した筑 波大学 を中
核として,高水準の研究と教育を行うための拠点を形成するため,それにふさ
わしい研究学園都市を建設するとともに,均衡のとれた田園都市を整 備 す る 。
②国等の試験研究・教育機関の計画的な移転による首都東京の過密対策
必ずしも東京に立地する必要がない国の試験研究・教育機関を研究学園都市
に計画的に移転することにより,首都圏の既成市街地における人口の過度集中
の緩和に寄与する。
(2)建設の経緯概要
1963年 昭和 38年 「研究・学園都市の建設について」閣議了解
1966年 昭和 41年 用地買収が開始
1970年 昭和 45年 「筑波研究学園都市建設法」が制定公布
1980年 昭和 55年 43の移転機関の移転が終了
筑波研究学園都市の概成
(3)筑波研究学園都市建設法
筑波研究学園都市の建設を国の事業として位置付け,事業を促進するために,昭
和45年5月19日に「筑波研究学園都市建設法(以下,建設法)」を制定・公布し
た。
○建設法の構成
第1章 総則
第2章 研究学園地区建設計画
第3章 周辺開発地区整備計画
第4章 研究学園地区建設計画及び周辺開発地区整備計画に基づく事業の実施
○研究学園地区建設計画及び周辺開発地区整備計画
建設法では,研究学園地区の土地利用や設置する機関などの建設に関する事項
を定めた「研究学園地区建設計画」を国土交通大臣が定めるとしている。
また,周辺開発地区につい ては,「周辺開発地区整 備計画」を茨城県知事 が定
(4)事業の執行体制
筑波研究学園都市の建設については,国土庁が全体調整を実施し,日本住宅公団
がマスタープランの作成,用地の取得,土地造成等の基盤整備を実施した。
昭和 38年に研究・学園都市の建設に関して閣議了解し ,筑波地区への研究学園都市建
設が決定
1 研究・学園都市の建設地は,筑波地区とする。
2 研究・学園都市の建設規模はおおむね4,000haを予定する。
3 研究・学園都市の用地の取得造成は,日本住宅公団に行わせる。
昭和39年12月には「筑波地区における研究・学園都市の建設について」が閣議決
定され,建設に向けた作業が開始された。
1 新都市の建設は昭和 40年より着手,おおむね 10カ年で完成する。
2 新都市 の建設にあたっては,十分 な都市施設を整備すると ともに,移転機関等の施
設設備についてはその充実を図る。
3 用地提供することによって生活の基礎を失う者には,適切な生活再建の措置を行う。
4 総理府 に「研究・学園都市建設推 進本部」を設け,新都市 の建設に関する連絡,調
2.研究学園地区の計画の特徴について
筑波研究学園都市は国家プロジェクトとして計画的に建設されたため,中心市街地,
吾妻・竹園東部エリアを初め,研究学園地区は良好な都市環境が創出されている。
(1)空間構成の特徴 ①複合的な都市軸の構成
筑波大学から産総研まで南北1本の強力な都市軸を形成し,各種の施設系を集積
させ,複合都市軸を形成する。
②南北の緑道系の設置
都市構造が,南北方向にやや細長くなったため,より各機関の関係を補強するた
めに,東西の大通りの中央に都市区域の北端から南端までを貫いたグリーン・モー
ル(歩行者・自転車専用道)を設定し,大型の公園はグリーンモールにぶらさがる
ように配置する。(現つくば公園通り)
③45度軸の導入
道路構成が直交軸で組み立てられ,施設の配置においても空間の変化が乏しいこ
とから,45度軸の導入によって都市空間に変化と多様性を与える。
(2)まちづくりの特徴
①様々な計画による街並み誘導(詳細はP10参照)
研究学園地区は,研究学園都市としてふさわしい都市環境を創出するため,様々
な計画,制度により良好な街並みを誘導してきた。
公務員宿舎などの新住宅市街地開発事業で建設された地区は,建設時の基準とさ
れた「計画標準」によりゆとりある都市環境や特徴的な建築物を誘導してきた。
中心市街地は,景観計画及び景観審査会により,つくばの中心としてふさわしい
都市景観を誘導してきている。
②電線類の地中化
電線類については,基本的には地中化・無電柱化を行うこととしており,研究・
教育施設内,中心地区及び計画住宅地,幹線道路,公園は完全地中化を行うことと
している。
・研究・教育施設地区
この地区は,研究活動上,危険物を取り扱う機会が多いため防災体制を強固
にすること,また,消防活動と人命救助機能に支障を及ぼさないこと,落雷・
火災・風害から研究活動を守り,電力・通信の安定供給を図ること等が要求さ
れる地区であるので,ほぼ完全に地中化を図る。
・中心市街地と計画住宅地
開放 的な自然 環境と しての電 線の無い 植栽に 囲まれた 住宅地の 屋外空 間を
得るために地中化を図り,また,特に中心市街地においては,市街地景観の向
・幹線道路および公園緑地
主要な都市計画道路については地中化を行う。また,この地区の目玉の一つ
でもある豊かな緑と空間を持つ公園,緩衝緑地帯として,防災機能をもち,快
適な戸外活動の場である緑道・歩行者専用道については一体的な景観の確保か
ら地中化を図る。このことにより歩行者と自転車交通の安全確保,街路樹の生
育確保が図られることにもなる。
③共同溝
研究学園地区中心地区におい ては,共同溝が総延長7 .4km整備されており ,都
市生活を支える様々な都市基盤施設が収容されている。 共同溝への収容物件概要
構造 鉄筋コンクリート造
標準断面 内空3.3×5.8m~2.4×2.6mの5タイプ
特殊部 57箇所
収容物件 ・水道配水管
・電力ケーブル
・電話ケーブル
・廃棄物運搬用パイプライン施設(現在は廃止)
・地域冷暖房施設 ・CATV(ACCS)
・地域冷暖房施設
中心地区に中央プラントを設置し,そこから中心地区の各施設に年間を通じ
て終日,蒸気及び冷水を供給している。
・廃棄物運搬用パイプライン施設(真空集塵施設)
都市の清掃の合理化を図るために導入されたものであり,投入口に投棄され
たゴミを空気の流れに乗せて収集センターへと吸引するシステムである。国の
モデル事業として導入された。
建 設から2 0年以上 が経過し たことに よる老朽 化やそれ に伴う維 持管理 費の
増加により,現在は廃止されている。
・CATV(ACCS)
建築物の建設が進むとテレビ電波の受信障害が広域にわたり発生した。その
・共同溝ネットワーク図
④幹線道路(都市計画道路)
幹線道路として,学園東大通り線,学園西大通り線,学園平塚通り線,学園北大
通り線,土浦学園線,学園中央通り線,学園南大通り線,牛久学園線を配置。
構造 :都心部で幅員40~50mの片側3車線とし,両側に幅8mの植栽帯を設 け る 。
道路面を1.5~2mほど掘り下げた「ハーフカット」式の構造
(騒音や光が住宅地区に及ぶのを遮断する緩衝緑地の機能)
街路樹 :道路ごとに樹種を決定
植 樹方法は 樹冠の緑 を豊かに 大きく見 せる新た な試みと して8m- 3m-8m
間隔で寄せ植えを実施
西大通り 東大通り歩道
⑤歩行者専用道路(ペデストリアンデッキ)
筑波研究学園都市開発の特徴の一つとして歩行者専用道路(ペデストリアンデッ
キ)のネットワークを整備(延長約48km)
幹線のペデの概要(つくば公園通り)
概要 筑波大から都心地区を経て赤塚公園へ至る幅員10~20m,延長約10km
特徴 両側に主要な公園,文化施設,商業施設,研究施設などを配置
幹線ペデは歩車分離を徹底するため,道路交差部は立体交差とする。
3.筑波研究学園都市建設に係る主な 計画
■筑波研究学園都市における景観・環境コントロールの体系
筑波研究学園都市は,国家的事業にふさわしい都市景観を形成するために,下図の
ような制度的対応が図られてきている。
Ⅰ.筑波研究学園都市計画住宅地の建設に関する計画標準(S 48)
【概要】
筑波研究学園都市の計画住宅地において,研究学園都市にふさわしい良好な市街
地の形成に資するために計画標準を策定。
建物建設の基本となるものであり,新住宅地市街地整備事業のすべての街区につ
いて,建設時に必要となる技術的基準について整理されている。
対象地区:都心地区(現,吾妻1~3丁目,春日1丁目,春日2丁目の一部,竹園1,
2丁目,東新井の一部),大角豆地区(現,並木2~4丁目),手代木地
区(現,松代),小野崎地区(現,二の宮3丁目)
※花室地区(竹園3丁目,吾妻4丁目)については,「筑波研究学園都
市花室東部地区建設に関する計画標準」で規定
【構成】
基本方針 - 基本計画(各地区ごと) - 技術標準
【基本方針概要】
・優れた都市景観の実現を図る。 ・緑の保護,育成に努める。
・歩車分離の原則を尊重する。 ・快適な生活環境を実現する。 筑 波研究 学園 都 市の景 観計画 の 体系
研究 ・教 育機 関 一団地 の 官公庁 施 設
住宅地 中心地 区 道 路・公 園 等 公 共施設
サイン ・広告 物
一 団地の 官公 庁 施 設 建設設 計計 画 標
準(S 4 8 )
筑 波研究 学 園都 市 計 画住宅 地の 建設 に 関する 計 画標 準
( S 4 8 )
筑波研 究 学園都 市 文教 地区 条例
(S 5 5 ) (現つ く ば市 文 教
建築制 限 条例)
筑波研 究 学園都 市 におけ る 建築物 の 敷地の 制 限に 関 す る 条例( S 4 8 ) (現つ く ば市 建 築
物の敷 地 制限条 例 )
筑波 研究 学園 都市 中心 地区 景観 計画
標準(S 59 )
景 観審査 会
街 路樹及 び道路 施 設 に関す る検討 調
査( S 4 9 )
屋外 広告 物条例 ( S 4 9)
照明基 本 計画・ 基 本設計(S 4 8 , 5 2 )
公 共サイ ン デザ イ ンマニ ュ アル
【基本計画概要】
・各地区の空間構成,配置施設,住棟形式,壁面線の後退,進入路・駐車場,都市
軸の景観方針等を規定
○各地区の全体構成
・都心地区
研究学園都市の中心を構成し,各種の都心機能を包含する都市センターを中
央部に持つ本地区は,比較的高密度な住宅市街地として,中高層住宅を主体に
計画する。また歩行者専用道路を都市の骨格として位置付ける。
・大角豆地区
研究学園都市の南東部の郊外住宅地を構成する本地区は,中心にサブセンタ
ーを持つ比較的低密度な住宅地として計画する。
・手代木地区
研究学園都市の西部の郊外住宅地を構成する本地区は,周辺民有地と一体と
なって比較的大規模な住宅 地であり,南北2 つのサブセンター を中心に低密度
な住宅地として計画する。
・小野崎地区
都心地区の南部に位置し,土地区画整理事業により整備される民有住宅地の
核を構成する本地区は,サブセンターを中心に,中層住宅を主体として,シン
ボル的に高層住宅を含めた比較的低密度な住宅地として計画する。
・花室地区(花室東部地区建設計画標準抜粋)
都市の中心に向かって高く,周辺に向かって低くなる建物構成をとり,土浦
学園線からの通景を考慮する。また歩行者路を空間構成上の骨格とし,周辺に
配置する建物,植栽を考慮して,快適で変化のある場となるようにする。
○壁面線の位置に関する一般原則
幹線道路(都市計画道路) : 10m以上
住区内幹線道路(幅員9m以上) : 5m以上
細街路(幅員6m以下) : 1.5m以上
公園,広場,歩行者専用道 : 5m以上
【技術標準】
日照,プライバシー,騒音対策,建物基 本設計,遊び場, 細街路,植栽等に 関す
る具体的な基準について規定されている。
○日照条件概要
・原則として各住戸の主採光面が冬至において4時間以上の有効な日照を確保
・隣地の日照確保を行うための住棟配置の実施
○プライバシー概要
○細街路概要
・住区内幹線道路からの出入口は適切な位置に設け,幅員は原則として6mとする。
また行き止まり道路(クルドザック)の長さは原則として200m以内とし,車返し
を設ける。
○植栽概要
・既存樹木を極力保存するほか ,積極的に緑化をはかる 。植栽の量は樹高3m 程度
の木で人口1人当り1本に相当する量を標準とする。
【参考 都心地区の計画図】
図 都心地区における壁面後退
図 都心地区の容積率 5 10 10 5 5 5 5 5 5 10 5 5 5 5 2 0 5 5 1 5 5 5 5 1 0 5 5 20 10 5 5 10 10 1 0 5 5 5 1 05 10 5 5 55
55 5 5 5 5 5 10 5 55555 5 5 5
555 5 5 10 101 5
15 5 5 5 1 0 1 0 5 55 5 5 5 5 5 5 2 0 10 1 0 1 0 10 10 10 102 0 5 5 5 5 5 5 5 5 5 55
55 5 55
5 55 5 5 5 5 5 10 10 10 5 5 5 5 5 5 5 8 555
5 5
5 55
121 0 1 0
1 01 010 1 5 30
2 0 2 0 2 0 2 0 5 5 5 10 1 0 1 0 10 1 0 1 0 20 2 0 20 1 0 10 1 0 10 20 5 5 5 5 5 5 8 5 5 1 5 10 8 8 15 30 20 5 5 55 5 5 5 1 0 8 5 3 0 2 0 2 0 1 0 5 5 5 55 1 5 5101 5
1 5 2 0 1 0 1010 5 5 5 1 5105 5
1 0 105 5 5 5 5 5 5 5 15 1 0 1 0 10
5 55 5 1 0
15 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 1 5 30 1 5
2 0 5 10
1 055 5 15 1 5 3 0 2 0 105 5 5 10 15 5 15 1 5
3 015 5 5 5 51 055 5
5 5 5 51 58
8 20
1 0 20 2 0
1 0 10 1 0 1 0 1 0 5 5 5 5 1 5 15 5 5 5 5 5 5 10 1 0 1 0 10 1 5 1 5 5
① 15 0%以 上 ②1 50 %以 下 ③1 00 %以 下 ④ 50% 以下 ① ① ① ① ① ① ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ② ③ ③ ③ ③ ③ ③ ③ ③ ③
③ ③ ③ ③
Ⅱ.中心地区景観計画標準(S 59)
【概要】
中心地区景観計画は,多様な事業主体による多様な施設立地が併存する地区にお
いて,総合的かつ詳細な景観形成ガイドラインを 設定することで,研究学園都市の
顔に相応しい高水準の景観誘導をねらいとして策定
【構成】
中心地区景観構成方針 中心地区景観計画
①基本方針 ①敷地利用,建築形態等景観計画
②街区別方針 ②植栽景観計画
③サイン景観計画
【位置づけと運用】
・事業者が建築行為,開発行為を行う際に守るべき景観形成上の最低基準を示すも
のである。
・計画標準により画一的で平板な景観を防止するため,ケースごとに柔軟に運用し,
高水準の都市デザインを誘導する仕組みとして景観審査会 を設ける。
・土地利用計画等を前提にして おり,不確定要素も多い ため,計画標準の内容 は,
必要に応じて見直しをする。
【基本方針概要】
・筑波山などの周辺の自然的・歴史的風土が最大限生かされたものとする。
・研究機関が立地するのにふさわしい落ち着きと静けさを感じさせ,さらに国際的
な交流の場としての役割にふさわしい個性的で高い水準の景観を形成する。
【中心地区景観計画概要】
○敷地利用
・歩行者の利便性を考慮して,ペデを補完する敷地内通路を確保する。
・駐車場は,原則としてペデ沿いに面して設けない。
○建築形態等
・中心地区は高度化を図るため,最低容積率を定める。(100~200%)
・中心地区の建物の高さは中層(3~6階)を原則とする。
・ポイント状の高層建築物を要所に配置するなど,高さにも変化をつける。
○壁面線
・計画標準と同様の壁面後退を規定
○筑波山へのヴィスタの配慮
Ⅲ.筑波研究学園都市景観審査会
中心地区において高水準の都市景観の達成を図るために,昭和58年4月に住宅・
都市整備公団研究学園都市開発局長の諮問機関として設置。
【審査会の役割】
・広い知見と専門的知識をいかした高度な判断により,数値的基準等では,達成し
えない高水準の都市景観形成を誘導する。
・計画標準の画一的,硬直的な適用による弊害をなくし,より個性的で魅力ある都
市景観の創出を図るために,審査会による計画標準の弾力的運用を保障する。
【審査対象】
・研究学園都市中心地区の公団取得用地における建築行為等
・県や関係市町村から要請があった民有地における建築行為等
【審査会員構成】
有識者,建設省,茨城県,つくば市,筑波新都市開発,つくば都市交通センター,
住宅・都市整備公団
【現在までの審査】
審査会を20回開催し,30の施設を審査(S58.4~H10.7)
【審査会での主な誘導事項】
・賑わいの演出や,周辺環境との取り合いから求められた平面計画の変更
(施設機能の変更や再配置)(つくば西駐車場,竹園西児童館)
・公園の園路の見切りの処理,屋根の形状,壁面の素材等ディテールのデザインに
関する工夫(中央公園,茨城県立つくば看護専門学校) 等
【審査施設一覧】
NO 施設名称 審査回数・日時
1 つくばセンタービル 1 昭和58年4月22日
2 つくばエキスポセンター 1 昭和58年4月22日
3 筑波メディカルセンター病院 1 昭和58年4月22日
4 筑波合同庁舎 2 昭和58年8月5日
5 つくば・さくら団地 2 昭和58年8月5日
6 銀河スクエアビル 2 昭和58年8月5日
7 中央公園・中央公園レストハウス 3 昭和58年11月16日
8 ショッピングセンター「クレオ」 3 昭和58年11月16日
10 つくばターミナルビル・交通広場 6 昭和59年9月26日
11 筑波研究学園都市ゲート 6 昭和59年9月26日
12 中央公園内移設民家 7 昭和60年1月26日
13 つくば三井ビルディング 1 0 昭和62年7月21日
14 つくば西駐車場 1 0 昭和62年7月21日
15 茨城県立つくば看護専門学校 1 1 昭和63年1月22日
16 東京家政学院筑波女子大学 1 2 昭和63年6月17日
17 竹園西小学校 1 3 昭和63年11月14日
18 つくば文化会館「アルス」 1 3 昭和63年11月14日
19 筑波第一ホテルアネックス 1 3 昭和63年11月14日
20 竹園西児童館 1 4 平成2年2月5日
21 外国人研究者宿舎「竹園ハウス」 1 4 平成2年2月5日
22 飲食専門店ビル「 MO G」 1 5 平成4年4月3日
23 つくば総合健診センター 1 5 平成4年4月3日
24 つくば 21号橋,つくばセンター自転車駐車場 1 6 平成4年7月10日
25 つくば南 1駐車場 1 6 平成4年7月10日
26 つくば中央通り線街路計画 1 7 平成4年12月11日
27 東京家政学院筑波女子大学増築 1 8 平成6年5月9日
28 市民交流センター「つくばカピオ」 1 8 平成6年5月9日
29 つくば国際会議場「エポカルつくば」 1 9 平成7年11月8日
30 筑波第一ホテル「エポカル」 2 0 平成10年7月13日
出典
「筑波研究学園都市 都市開発事業の記録」 都市基盤整備公団
4.研究学園地区のまちづくりの課題
(1)街並み・景観について
○研究学園地区建設時の基準とされた「計画標準」,景観審査会による都心地区の
景観誘導は現在行われておらず,民間事業者による大規模マンション建設,戸建
住宅地開発等により,研究学園地区の特色ある都市環境が失われつつある。(写
真4-1)
○また,ペデストリアンデッキネットワークの活用を前提としない建築が少なから
ず見られ,研究学園地区の財産である豊かなオープンスペースが有効にいかしき
れていない。(写真4-2)
○文教地区,高度地区,景観条例等による規制誘導を図っているが,現状と同等の
緑豊かなゆとりある都市環境を維持することは困難である。
写真 4- 1 平成1 6年度に処分された公務員宿舎跡地
(2)人口(参考資料6 P1参照)
○研究学園地区全体の人口は平成22年まで増加していたが,それ以降は減少してい
る。今後,大量の公務員宿舎の廃止による居住者の流出や,少子高齢化の進行に
よる更なる人口減少が想定される。
(3)住宅・宅地(参考資料6 P8参照)
○研究学園地区内では,国家公務員宿舎の廃止のほか,UR未処分地,その他未利用
地により,今後多くの宅地の供給が見込まれるほか,約30haある独立行政法人所
有宿舎等の先行きも不透明な状況である。
○つくばエクスプレス沿線開発地区では,住宅系用地だけで今後約425haの宅地供
給を控えている。
○市街化調整区域においても,つくばエクスプレス開業に伴い開発が増加している。
○市内の分譲住宅着工戸数はTX開通時に増大したが,経済情勢の影響もあり開通
後3年で激減。国家公務員宿舎跡地でも販売が長期化している物件もあり,住宅需
要に対する宅地の供給量が過剰となっている。
(4)中心市街地のにぎわい(参考資料6 P12参照)
○TXの開業に合わせ都心地区にキュートがオープンしたが,周辺地域にも大型商
業施設が相次いで立地しており,つくば都心地区の求心力は低下してきている。
○都心地区周辺の民間の新規住宅供給が行なわれていないエリアでは,人口は減少
傾向である。
(5)国際化(参考資料6 P3参照)
○つくば市及び研究学園地区内の外国人居住者は増加傾向。市内居住外国人の内,
約8割が研究学園地区に居住。外国人向け宿舎も一部整備されている。
○研究学園地区内の人口に占める外国人の割合は約8%。外国人幼児,児童,生徒
数は,研究学園地区を中心に市内で約300人に上る。
○外国人の配偶者や子弟など家族が交流できる場が少ないという声も聞かれる。
○つくば地区で開催される国際会議は年間70~80件,外国人3000~4000人が来訪。
つくば駅周辺において案内サイン整備を行ったが,施設ごとのサインが統一され
ていない。
(6)都市基盤の老朽化
○研究学園地区内の都市基盤の多くが建設から約30年を経過し,老朽化している 。
○同時期に建設されたことから,一度に老朽化が進行することが想定される。
老朽化したペデストリアンデッキ
(7)その他
○TX開通後,つくバス運行や路線バス拡充等の動きがあるが,自家用車への依存
度が高い。
○つくば駅周辺は駐輪場の整備を行っているが,将来需要台数に対して現状では不
足している。
5.研究学園地区及び中心市街地,竹園・吾妻東部,並木,松代エ リア の今後について